台湾2泊3日仮想ツアー

2泊3日で台湾に観光目的で滞在する方向けに私なりのプランを私目線で考えてみました。
現地時間で昼の12時に桃園空港着、帰りは17時に桃園空港発だと仮定して考えます。
さらに桃園空港から滞在先のホテルまでに要する時間なども考慮し、昼の14時からフリーな時間になるとします。

1日目 台北101(15時着;所要時間1時間30分)→(Taxi;20分)→猫空ロープウェイ(17時着;所要時間1時間10分)→(Taxi;20分)→饒河街夜市(18時30分着;所要時間1時間30分)→(Taxi;20分)→台北戯棚(20時20分着;所要時間1時間)→滞在先へ

2日目 永康街(9時着;所要時間1時間)→(Taxi;20分)→西門(10時30分着;所要時間1時間)→(Taxi;10分)→龍山寺(11時50分着;所要時間30分)→(Taxi30分)→故宮博物館(13時着;所要時間2時間30分)→(Taxi 45分)→淡水(16時半着;所要時間1時間30分)→(MRT;40分)→士林夜市(18時30分着;所要時間2時間30分)→滞在先へ

3日目 国立台湾大学病院(所要時間1時間)→九份or台北101(再)or中山orどこか目当ての美味しいお店や行きたいショップ→滞在先→桃園空港(15時頃着)→帰路へ

こんな感じでしょうか。
1日目が若干きついか...

ポイント
両替は台湾の空港ですること。
MRTもいいが時間のことも考えるとタクシーの方が効率がよいと思われる。団体でいけばなおさら。初乗り250円(1.25kmまで)。以降250mごとに20円加算。これを3人乗車で割り勘で...と考えるとやはり安い。
一つのスポットで多くを食べない。忘れがちなんだけど大事だと思う、思った。
台北戯棚と猫空ロープウェイは予約できる...らしい
上のコースだと鼎泰豊に訪れるチャンスを本店、支店で2度用意している。2回食べたっていいよね。

オプション
白衣購入(医療者なら)。なにせ白ジャケットぽくてかっこいい。
臭豆腐。お土産話にどうぞ。
足つぼマッサージ。私は好き。
パッションフルーツジュースorタピオカ入りジュース。あえてマンゴーは挙げない。
小籠p...とか言わなくても分かるよね

台湾に行って2週間経って感じたこと

台湾に行って2週間経って感じたことを特に何も考えず漫然に羅列します。

飲み物の種類が多い。おすすめはマンゴー。タピオカ入りのジュースも多い。バブルティーってよく聞くけどいまだによく分からない。ちなみに自販機はほぼ無い。ジュースは直絞り系多し。

お粥のお店も多い。安いし量も多い。ただし絶対塩分過多になる。

人は確かに親身。7、8人に道尋ねたけど半分以上の人はその場所あるいは駅まで一緒に案内してくれる。

FB、LINE盛ん。盛んすぎ。アカウント持ってないと答えたら、何で?って聞かれた。

ソシャゲも大好き。感覚としてはCMの1/3がソシャゲ。

Family Mart、セブンイレブンがそこら中にある(台北)。Family Mart、台湾語では全家。こっちに来てはじめてコンビニのおでん食べた、というのもコンビニおでんがこちらでは大人気。ちなみに外食してる人が多い。

日本文化を取り入れてる、らしい。音楽とか服飾とか。あまり感じなかったけど、そう言われた。着メロでperfume流れてきた時はビックリした。

ご老人は日本語話せる方も多い。台湾で日本の企業に勤めてた人とかも少なくなくてこの場合も話せる。やっぱり嬉しい。

学歴社会。予備校(っぽいの)多いし、何より感じたのは英語。病院の若い先生とかはどなたも英語が日本人よりも上手いけれど、少し街に出れば、I like dogs すら通じない。恐ろしいほどの学歴格差だなって思った。

以下病院関連

医学部は7年。ただし最後の一年は医師として給料貰ってる、みたい。卒業後PGYとして1年各科ローテート。その後科にFixして3年から4年レジデントとして働く。そして専門医を取る。ただしもうすぐ医学部も6年に変更されるらしい。すみません、全部聞いた話なので曖昧ですが。とにかく英語うまいわ。

カルテは全部英語。カンファレンスは台湾語、ただしスライドは英語。日本に逆輸入したい。

西洋医学漢方医学で線引きがあり、前者を学んだ人は後者の薬は処方できないし、逆もそう。日本では前者学べば資格取得後、後者も処方可能。

CTはあまり撮らない、印象。日本はCT好きだなって感じた。肺炎くらいじゃいちいち撮らない。

電カルはネットに接続されてる。日本じゃ考えられない、と思う。それに患者情報の取り扱いも日本より厳しく無くて、例えば各患者のプロブレムリスト一覧書いた紙を回診時に普通にベッド脇において患者を診てたりする。小さい事?にこだわらない台湾の人らしいなって思った。

4人部屋の病室は無い。縁起が悪いらしい。

(ここまで)

今の所これくらいです。総括すると(なってないけど)台北周辺って人も多いしリトル東京だなって印象です。何がリトルかは自分で言っといてよく分からないけど、物価も安いし多分そこら辺です。

STAP論文II

STAP論文第2弾です。DiscussionとMethodsは省略しております。あくまで意訳・記録用なので、そのつもりでよろしくお願いします。ちなみにこれも半日以上はかかった。


Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency
(原文;
http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/pdf/nature12968.pdf

要旨;この論文において我々は刺激惹起性多能性獲得(STAP)と呼ばれる細胞リプログラミングについて報告する。これは核を移したり、転写因子を導入することを必要としない。STAP細胞のリアルタイムイメージングとゲノムの再構成解析によって、体細胞からSTAP細胞が生じるのはselectionが起こっているのではなくリプログラミングであると言う事を見出した。STAP細胞は多能性マーカーとなる遺伝子の制御領域が大部分メチル化されていなかった。STAP細胞胚盤胞注入によってキメラ胎児とその子孫が作成できた。我々はまたSTAP細胞からのさらなる多能性細胞系の誘導も証明した。以上の事から我々の発見は哺乳類の体細胞の後天的な運命決定が変えられることを示した。

1.(導入)植物では外部刺激によって体細胞が核をリプログラミングさせる現象があるが、動物ではまだ報告されていない。
2. CD45陽性の血液細胞はリプログラミングされない限り多能性マーカーであるOct4を発現しないことが分かっている。そこで我々はCD45陽性の脾臓から取った血液細胞が外部環境を変化させることで多能性を獲得できるかについて検討した。

Low pH triggers fate conversion in somatic cells

3.数ある外部刺激の中からlow-pH刺激を選択した理由は二つである。一つは刺激後のOct4陽性率が高かったこと、もう一つは細胞を一時的に致死的状況下であるlow-pHに曝すことが組織の分化状態を変えうるからである。
4.CD45陽性細胞をpH5.4-5.8の酸性液に30分浸すと最も効率よくOct4発現が見られた。次に我々はCD45陽性細胞をCD90(T cell),CD19(B cell),CD34(haematopoietic progenitors)各々についてpositive/negativeに分けてlow-pHに曝した。前者二つは効率よくOct4を発現し、後者はほとんど発現しなかった。
5. Oct4 を発現した細胞の培養液はLIF+B27培養液が最も効率的であった。LIFは培養後day2-4で必要となる。
6.day1ではほとんどの細胞がOct4(-)。day3だと死滅により全細胞数は減るもののかなりの細胞でOct4(+)。Day7ではさらにそれが顕著となった。
7.day5にOct4陽性細胞はクラスタを形成した。また運動能も認めた
8.Oct4陽性細胞は小さい
9.CD45(-)細胞のコンタミは考えにくい。さらにOct4陽性細胞においてT cellのゲノム再構成も見られたため、T cell系列の細胞が関与していることも分かる。

Low-pH-induced Oct41 cells have pluripotency

10.day3で多能性マーカー発現。まだ血液細胞のマーカーも見られたのでday3がちょうどconversionの時期か
11.day7にOct4らの脱メチル化。リプログラミングが起こってる。
12.low-pH処理後のOct4陽性細胞は三胚葉に分化した。マウスに注入すると奇形腫を形成した。このうちGFP強陽性の細胞のみが奇形腫を形成した。qPCRでもGFP強陽性の細胞から多能性マーカーが見られ、主にこの細胞から奇形腫は形成されているようである。
13.以上からもSTAP細胞は体細胞から出来て多能性を獲得している。
STAP cells compared to ES cells
14.STAP細胞の自己増殖能力はマウスのES細胞と違い、LIFを含む培においてで限定されたものであった。細胞数も減っていった。ES細胞マーカーも低かった。ES細胞と違い雌系統において40%近くの細胞でX染色体の不活化も見られた。またSTAP細胞はむ一つの多能性細胞であるEpiSCsとも違っていた。

STAP cells from other tissue sources

14.脳、皮膚、筋肉、骨髄、肺、肝臓、から得られた体細胞を用いた同様の実験でも効率は様々だったがday7にOct4陽性細胞を得られた。

Chimaera formation and germline transmission in mice
15.続いてSTAP細胞胚盤胞注入を行ったところ、キメラ胚において中程度から高い確率でGFP発現が見られた。これらの胚はかなりの確率で産まれてきて正常に育った。
16.CD45陽性細胞から得られたSTAP細胞はあらゆる組織に分化する。さらに言うと、STAP細胞から得られた胚の子孫はキメラになった。これはSTAP細胞生殖細胞系列にtransmissionされたことを示す。さらに、tetraploid complementation assayでSTAP細胞は、全ての細胞がGFP陽性である胚を作った。これはSTAP細胞が単独であらゆる胎児細胞になれることを示す。つまりSTAP細胞生殖細胞系列だけでなくあらゆる体細胞系列に分化できるのである。

Expandable pluripotent cell lines from STAP cells

17.STAP細胞の自己増殖能力が低いことは述べたとおりだが、胎児環境下ではSTAP細胞は完全な胎児になった。そこで我々はSTAP細胞が多能性細胞系列に分化できるかを調べた。
18.STAP細胞はLIF+FBSを含んだ培地に曝さないと効率的に維持できない。とくにACTH+LIFを含んだ培地がSTAP細胞の増殖に有効だった。この培地で培養したSTAP細胞ES細胞に似た形態を示し,Oct4強陽性であった。
19.これらをSTAP幹細胞と名付けた。
20.STAP幹細胞は多能性細胞のRNAとタンパクを発現していた。Oct4のDNAメチル化の割合も低かったし、核の微細構造もES細胞と似ていた。STAP幹細胞は心筋細胞を含む外中内肺葉に分化し奇形種も形成した。胚盤胞に注入してもキメラマウスを形成し、生殖系列にもtransmissionされた。tetraploid complementation assayでもマウスの継代が確認された。
21.STAP細胞とSTAP幹細胞の違いは自己増殖能だけでなく、Esrrβの発現の有無(STAP幹細胞のみで発現)やH3K27me3 fociの存在(STAP細胞のみで見られた)であった。

(ここまで)
何か想像以上に色々なものを巻き込み激動の展開になってますが、あとは調査委員会のお任せするしかないみたいですね。ただ闇はあまりに深い気がします。どこまで踏み込めるのか...。まぁ何でもいいけどとりあえずDiscussion読んできます。

STAP論文

今話題のSTAP細胞について論文読んでないのにあーだこーだいうのもどうかなって思っていたのでSTAP論文を自分なりに訳してみた。厳密な訳というよりはパラグラフリーディング的に。あまり知識が無いため、その道の方が見たらおかしい所もあると思うけど、あくまで自分の備忘録あるいは現時点での読解力を記録するための目的も兼ねているので参考になさる方はそのつもりでどうぞお願いします。ちなみに半日くらいかかった。


Bidirectional developmental potential in
reprogrammed cells with acquired pluripotency

1. pH 5.7 30分刺激で脾CD45+細胞が多能性を獲得した。これをSTAP細胞と名付けた。STAP細胞は自己増殖性を持たないが、これをACTHとLIFに7日間浸けると自己増殖性を持つ細胞に分化した。これをSTAP幹細胞と名付けた。
2. STAP細胞は胚細胞注入にとって驚くべき事に胎児組織と胎盤組織両者に分化した
3. qPCRの結果、STAP細胞は多能性を獲得した細胞と胎盤由来の細胞の単純なmixtureとは考えにくい
4. 一方、STAP幹細胞は胎盤組織への分化能は失っていた。STAP細胞からSTAP幹細胞への分化の途中で失ったと思われる
5. Fgf4下で培養したSTAP細胞(Fgf4-induced cells)は栄養膜組織マーカー強陽性であった
6. Fgf4 induced cellsは特定条件下で効率よく分裂した。そのため、これを改めてFgf4-induced stem cellsと名付けた。
7. 胚細胞注入実験によってFgf4-induced stem cellsはSTAP幹細胞とは異なり胎盤組織への分化も認められた。しかし、Fgf4-induced stem cellsは胚盤胞由来の栄養膜細胞とは以下の点で異なっていた。I) Oct-4が発現していた。II)胎児組織へ分化した。III)Cdx2タンパク発現がわずかであった。IV)Fgf4存在下でないと死滅してしまう 以上である。
8. STAP cells, STAP stem cells, Fgf4-induced stem cells, ES cells,栄養膜幹細胞を比較するため全ゲノムRNA解析を行った。Whereas STAP cells formed a cluster with STAP幹細胞, Fgf4-induced stem cells, ES cells and trophoblast stem cells and not with the parentalCD45陽性 cells, STAP cells were an outlier to the rest of the cell types in the cluster.対照的にSTAP幹細胞はES細胞と似たクラスタを形成した。Fgf4-induced stem cellsはES細胞とSTAP幹細胞のサブクラスタクラスタを形成し、trophoblast stem cellsがこのクラスタに対しoutlierであったことはFgf4-induced stem cellsが多能性細胞であること密に関係していると思われた。
9. しかしながらFgf4-induced stem cellsの中にSTAP幹細胞が混入していた可能性も否定しきれない。先行研究で内細胞塊由来の多能性細胞はJAK inhibitor存在化で除去されることが報告されているが、今回Fgf4-induced stem cells にJAK inhibitorを加えてもOct4発現に影響は見られなかった。また多能性マーカーと栄養膜細胞マーカーについても同様に影響は見られなかった。このことから今回の多能性マーカーの発現は内細胞塊由来のSTAP幹細胞の混入でないことが示唆される。これはFgf4-induced stem cellsが栄養膜細胞マーカーとOct4陽性であることからも強く示唆される。
10. 特筆すべきことに栄養膜マーカーItga7強陽性のFgf4-induced stem cellsはLIFとFBを添加した培地において形態が大きく変化し、GFP強陽性のES細胞のような細胞塊を形成した。これらの細胞は多能性マーカーを発現したが、栄養膜マーカーは発現しなかった。またマウスにおいて奇形腫を作った。
11. Fgf4-induced stem cellsは栄養膜細胞と同様にFGF-MDKシグナルに依存していた。
12. 以上をまとめると、STAP細胞から得られたFgf4-induced stem cellsは多能性マーカーと栄養膜細胞マーカーを発現するだけでなくLIFとFBを添加下においてES様細胞への分化能も持っていることが示された。
13. STAP細胞は異なる培養条件下において2種類の自己増殖能を持つ細胞に分化することが示された。STAP幹細胞とFgf4-induced stem cellsである。クロマチン免疫沈降解析でもそれぞれ2つのパターンが見られた。
14. Oct4発現の違いから先行研究のどの細胞ともSTAP細胞は異なっていた。
15. 本研究でのKeyはSTAP細胞の分化能はES細胞の多能性を上回っており、内細胞塊と栄養膜細胞の状態に近い、よりワイドな分化能を獲得していた。STAP細胞から得られたFgf4-induced stem cellsに関しては、Fgf4-induced stem cells の双方向性の分化能はES様細胞と栄養膜幹細胞の共存によるものとは考えにくい。以上をまとめると、本研究においてSTAP細胞の分化能は体細胞に多能性獲得させるだけでなく栄養膜細胞への分化能も獲得させることが示された。

病院実習II

これ書いてるのは3/18なんだけど3/24から3ヶ月、台湾の国立台湾大学で病院実習することになった。


私の大学から行くのは自分が初めてだからあまり事前情報が無くて、正直向こうがどのように医学生を教育してるだとか、どういうカリキュラムが走ってるかはあまりよく分からないのだけれど、どうやらカルテ記載は英語らしい。医学生や先生も英語が上手くて、使ってる教科書は全部英語のものとのこと。これに向けてずっと英語の勉強(のような事)は半年くらい前からずっとしてて、まぁやらないよりはマシかな程度には伸びたとは思うんだけどやはり話せない。僕は日本語も回りくどく話す癖があるので、英語でもそれが出てしまってやたら難しく表現しようとしてしまってなかなか難渋してる。

それはそうと、僕が台湾に行く事に向けて研究室の同級生のメンバーが壮行会なるものを開いてくれ何気にそれがすごい嬉しかった。今は全員研究室を離れてしまったので集まるのは2年振りくらいで、ただ集まってご飯食べるだけの何の変哲もないものなんだけどやっぱりこういうのを提案してくれるってことがすごく嬉しいことなんだなって思って当たり前のことかもしれないけどまた気付かされた。

そんなわけで台湾で何を得るかはまだ分からない部分の方が多いけど、目の前に知らない世界がありそうなら飛び込んでしまえって感覚で、日本を離れて国立台湾大学の方で3ヶ月勉強してきたいと思います。家族や壮行会を開いてくれた同級生、実習中台湾に遊びにきてくれる(らしい)日本で同じ実習班だったみんな、裏方として支えてくれてる大学の国際交流室の先生たちに深く感謝しながら。

Interview with Dr.若山 on STAP stem cells(2/27) 

最近話題のSTAP細胞ですが、私自身も関心があり小保方氏のNature論文に名を連ねる若山教授の2/27日付けのインタビューが公開されていたので、英語の勉強も兼ねて訳してみました。

(原文サイト; http://www.ipscell.com/2014/02/interview-with-dr-teru-wakayama-on-stap-stem-cells/)

1.研究の経緯は?
若山教授(以下Y) バカンティ教授の元にいるKojima先生に協力を仰がれた。始めは失敗したが2年後小保方さんがSTAP細胞を作る系を見出しキメラマウスが得られた。

2.最近バカンティ教授か小保方氏と連絡を取りましたか
Y:バカンティ教授とはとってません。小保方氏とは取りました。STAP細胞は彼女のラボで確かに作れたと言っていました。

3.STAP細胞に対して自信は持っていますか
Y:私自身理研を去る前マウスの脾臓からSTAP細胞を作る事には成功しています。一度だけですが。その際は小保方氏によく教えて貰いました
ここにきて、友人の何人かが実験の部分的な成功(Oct発現陽性の細胞の構築に成功)のメールをくれました。ですので私は一年以内に誰かがSTAP細胞の構築が成功したとの報告をしてくれると信じています。

4.以前成功したSTAP細胞はmESCsあるいはマウスのiPSのコンタミという可能性はありますか
Y:私はSTAP細胞からSTAP幹細胞の作成にも成功していますし考えにくいです。それに129B6GFPマウスからのSTAP幹細胞作成も出来ています。当時ES細胞は持っていませんでした。STAP幹細胞作成時Oct-4強陽性でした。その条件下ではES細胞より簡易に作成できました。さらにmRNA発現の仕方からSTAP幹細胞がES細胞コンタミでは無いでしょう。

5.あなたのラボでも再現性が低いそうですね
Y:ありうる事です。私自身ラボを移った際今まで出来ていたクローンマウスの作成に半年かかりました。自分の持つ技術でさえそうですから人の技術であれば再現が難しいのは納得できるものです。以前成功した時は小保方氏の指導の下、全て自分で行いました。同じようにPh.Dの生徒もSTAP幹細胞作成に成功していました。実験をはじめた当初はES細胞やiPS細胞は扱っていませんでした。後になってコントロールとしてES細胞を培養していました。

6.詳細なプロトコルが出てくるのでしょうか
Y:はい理研がもうすぐ詳細なプロトコルを発表するようです。私自身も関与しましたがES細胞のそれと同じあるいはより簡単なプロトコルでusualなものです。不幸にして私は理研を離れましたので現状質問に関してどうなっているかよく分かりませんが。

7.最後に。他に何か仰りたいことはありますか
Y:私は逃げません。私の結果は全て正しいからです。しかし新技術の再現には時間が掛かるでしょう。ドリーでさえ1年半後に再現されました。ヒト由来のクローンES細胞も未だ再現されてないのです。最低1年待って下さい。私か誰かが再現するでしょう。

(ここまで)

問題が二つあって、一つは未だ再現性が確認されていないこと、もう一つは論文の捏造疑惑。前者の問題はこれからとしても、後者はやはり頂けないと言うのが理系の発想でしょうか。「全然気付かなかった」じゃ済まないというか、載せる写真間違えてそれに全然気付かない人のする実験の結果なんて信じられないじゃないですか。普通に考えて。”全然気付かな”いうちに細胞の取り違えしてるんじゃないですかって言われかねないし。しかも現状CELLも作れてないし、彼女のCELLにも繋がらないって感じみたいです。

前者に関しては、小保方さんも悪意があって捏造してる風には全く見えないし若山教授もしっかりなさってる印象なんで、どこかで先方に大きな勘違いがあるか、新技術により再現性が低いのか判断が難しいところですね。

この問題が今後どういう展開に進むにせよ、ただでは済まない気がしますね。後者の問題とそれに付随する問題も続々と噴出してきてて、小保方さんが全くのシロでしたというわけにはいかないでしょう。

デスエデュケーション

先日大学の講義でデスエデュケーションというものがありました。
何だそれって言う方も多いと思いますが、直訳すると「死の教育」、詰まる所は死について考えましょうという授業です。


死かぁ....最近は本当にあまり考えたこと無かったです。私は近しい人の死に立ち会ったこともないし、そもそも考えても答えが出そうに無いし、死後の世界なんてある気がしないし、何て言うか考えた所で生産性があるとは思えんじゃないですか。大学で死そのものについて考える講義も少なくて、というか全く無くて、これは全国のほとんどの医学部でもそうみたいです。今回のデスエデュケーションの授業内容としましては社会学の先生と心理学の先生が計2時間程度の授業時間の中で、少人数の学生相手に死のイメージを尋ねたり、ロールプレイングを通して死を扱ってみたり、またビデオ教材も見させて頂きました。

授業冒頭、「死のイメージを書いて下さい。」そう言われたので宇宙って書きました。子供の頃に抱いたイメージです。宇宙っていっても暗黒じゃなくて、真ん中に大きな太陽みたいな惑星が光っててその周りをを自分の意識が浮遊してるような感覚。うとうとしてた中で描いた単なる夢うつつのようなイメージの気もしますが、何か自分の中では一つの結論が出たみたいな気がして以降死についてあまり深く考えなくなるきっかけとなったイメージです。

その後、死について述べた二つの有名な本も紹介されたのでここに書いときます。
一つは柳田邦男の著書で彼はその中で
「1人称(私)の死」:自分自身の死。
「2人称(あなた)の死」:親子・兄弟姉妹・恋人の死。残された人は自分自身の一部を喪失したような辛さ・悲嘆を味わうことを余儀なくされる。
「3人称(彼・彼女)の死」:第三者の立場から冷静に見ることのできる死。ニュースで見るようなありふれた死でそれで自分が感情的になったり日々が変わるわけではない。
そして彼は医療者が現場で出会うのは主に「2.5人称の死」であるとも言っておられます。これに関しては成る程なといった感想を持ちました。

続いて紹介されたのが死の受容過程について説いたエリザベス・キューブラー=ロス。彼女はその著書で
「否認」:自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階である。
「怒り」:なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階である。
「取引」:なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階である。何かにすがろうという心理状態である。
抑うつ」:なにもできなくなる段階である。
「受容」:最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階である。
という一連の死の受容過程を経験を基に書いておられます。
医療者が患者(特に末期の方)と対峙していく上で知っておくべき心理といったところでしょうか。

とまぁここまでが授業の概略で、ここからは個人的な意見ですけれども、まず私も含めて若い人からしたら死をテーマにした授業ってやっぱりピンと来にくいと思いました。普通の若々しい学生からしたら死って日常からあまりにもかけ離れてるんですよね。だからこそ将来医療者となる人間にいまのうちから考えさせることが授業の目的なんじゃないかって言う声も聞こえてきそうですが、それにしては授業内容があまりに踏み込めてない印象ではありました。たとえば、死を扱ったロールプレイングは、末期の患者さんが「私はいますぐ死ぬんですか?」って訴えられた時に医師はどう受け止めどう答えるかみたいな想定問答だったのですが、フィードッバックして下さる先生側も終始、最善の回答はないんですが、っていう前提でお話されるんですね。それはそうなのかもしれないけど、折角なら医師として2.5人称の死に直面したとき患者さんにどう接しどう答えるのが望ましいかくらいの具体的なbest answerとまでは行かなくてもbetter answerくらいの明確な意見を聞きたかったです。あと個人的には先生の死生観もお聞きしたかったです。だって死について考えようって言う人が自分の死生観語らなかったら訳分からないじゃないですか。サッカーの先生はやっぱりサッカー経験者なりに見本を見せてくれないと。

実は授業以前から死に関して気になってたこともあって、それは子供を持つと1人称の死生観は変わるのかということ、特に死への恐怖は緩和されるのだろうかってこと。思い切って先生に聞いてみたところ、確かに死生観は変わって生きなければと言う感覚は強くなるけど、別に死への恐怖は緩和されないみたいです。死への恐怖っていうと表現が難しいですけど、もし自分がこの世から巣立っていっても自分の分身(遺伝子)が残ったり、あるいは子供の中に自分が生き続けたり、みたいなそういう感覚。でもそういうのはあまり感じないみたいですね。

授業がきっかけで改めて思い出した古い言葉があって、「死を想え」といって死を想えば全てが小さく思えるっていう意味だと自分では解釈してるんですが、中々いい言葉だなと思います。死を想うことで自分が生きてる今だったり世界が小さく見えるんですよ。死を思うことで生きやすくなる、みたいなね。その一方でもし仮にあなたが一週間後に死ぬと分かったら何をしますか?って聞かれた時には(授業でも同じことを聞かれましたが)私だったら逆に死に関して考える時間を減らそう、忘れようって思う気がするんですよね。上二つを見て改めて考えたとき、どちらの根本にもあるのはやはり生で結局1人称の死の捉え方なんて生きて行く中で柔軟に生きやすい方に捉えていけばいいんじゃないんでしょうか。2.5人称の死に関してはこれから勉強して行きます。そんなことを思った今日この頃です。